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STAND BY ME ドラえもん みた。

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こないだの金曜になんでだったか珍しく19時には居間でダラダラテレビを診る事が出来たので久しぶりにぼんやりドラえもんを垂れ流していた。
05年のリニューアル当初は平成感丸出しで(それは仕方ないしそうあるべきだが)力み過ぎ感が痛々しくて最早10年忘れていた事になるのだが、怒涛の改善が図られていて非常に好感を持った。特にわさびさんの演技には凄みすら感じられる程の格が備わって居たように思う。

これに好感して(してなくても行った臭いけど)3Dドラを観てきたのだ。

実は05年のリニューアルは原作回帰だったのだそうだ。
確かに79年産まれのえんぞうからすると文字を理解する前に大山昭和ドラが原体験としてあった訳だから、
1話完結ドタバタギャグ漫画が出自である原作ドラは昭和ドラの次に来るものだった。
だが原作ドラが原体験としてある層からは平成ドラは原作に忠実である点で評価する声もあった。

そういえば昭和ドラは子供番組だから教育上好ましくない表現を声優陣でアレンジするような事もあったと大山のインタビューだかで目にしたことがある。確かに昭和ドラは非常にデキが良くて、もう少し言うと世話焼きおばさんみたいな感じもした。友達というよりは。スネオジャイアンの凶悪さも原作よりマシな感じするし、おしなべて登場人物全員がやんわり矯正されてる感じもする。
昭和ドラは昭和の人が書いた昭和の物語だ。
穏やかな矯正。
ともするとそれがえんぞうの知っている昭和の空気感を象徴しているようでもあった。

平成以降個性とか多様性とか、半ば放置なんだけども、多様性を多様性で以って駆逐する世の中になった。
こういう動きを加速させたというか構造上そうならざるをえない下部機構として95年以降急速に発達したインターネットを無視することはできないだろう。欲しい情報だけが手に入る世界には穏やかな矯正が不要なのだ。気の合う社会とだけ付き合えば良いのだから。
そんな世の中にあって昭和ドラはオンタイムの物語ではなくなって、昔懐かしいサザエさん的立ち位置にあったのではないか。
原作ドラの自由闊達でアクティブでトンがった雰囲気は平成の世に新しいものとして映ったのかもしれない。
また様々な描写が平成でも無理なく通用する仕様にアップデートされた点で、平成ドラは平成の人が書く平成の物語だと思える。

だいぶ迂回したが映画は昭和ドラ層にとって大変に満足できるものだった。

残念ながらドラえもんを全く知らない人が見て共感できる作品にはなっていないと思えるのだが、
昭和であれ平成であれドラえもんを知っている人が見れば得るものの多い作品ではなかろうか。

映画の中に昭和ドラの香りは皆無だと言っていいと思う。
かといって平成ドラなのかと言えば、舞台や声優が同じだというだけで、やっぱりなんとなく違う感じがする。
平成の人が描く昭和の物語、というのが正しいのではないか。

触れなかったけど、映像の方は半端無く良かった。
早く白組には実写版ナウシカを作って貰いたい。

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